布をつくるための織技法は、古代から現代まで変わることなく受け継がれています。弥生時代には今と変わらぬ原理の織機が存在していたと思われます。長い歴史の中で様々な表現が工夫されてきましたが、経糸と緯糸の組み合わせは無数にあり限りのない可能性を感じます。

地球の座標を表す漢字に糸編の文字が使われることは、布の成り立ちと無関係ではないと思われます。布の部分を見て90度回転させると、どちらが経糸でどちらが緯糸かがわからなくなります。しかし経糸と緯糸には全く違う役目があり布は形成されます。経度と緯度も入れ替え表すことができないため、経(たて)と 緯(よこ)の漢字で表すようになったと言われています。

織の醍醐味は構造をともなう色彩表現にあると思います。布は薄い平面的なものに見えますが、繊維を交差させた立体的な構造をもち、色は並置混色されます。同じ色の経糸であっても、別な色の緯糸で織ることで新たな色を生み出します。