歳神を迎えるかたち。 元来、結界として聖域を仕切る縄のことを注連縄というのですが、願いを具体的に表すようになり、飾りとして多種のかたちが伝承されています。
植物繊維を成長方向に揃え縄を綯うと、綯い初めは太く段々と細くなり、牛蒡じめと呼ばれる形状になります。 ゴボウが信仰の対象になる背景を考察してみました。ハレの場でもケでもゴボウが食卓に上がるのは日本独特の食文化といえます。 ゴボウは華やかな食材ではないのですが栄養面で優れているため、食の本質への感謝があることに気付かされます。 牛蒡じめに対し中央に膨らみを持たせ綯う形状を大根じめと言いいます。繊維そのものの特徴だけではかたち作ることができず、中央に詰め物を施す必要があります。 素材の特徴から自然にできる形状に意味を持たせることから始まり、ひと手間かけた形状が作られるようになったのは、素材そのものへの信仰から、人の手が加わることを良しとし手数の多さを尊ぶようになるという価値観の変化があったと推察します。今では注連飾りには様々なかたちがありますが、詮ずるところは全て五穀豊穣を願うものです。
