歳神を迎えるかたち。神の依代としてつくられますが、地域に根ざしたそれぞれの決まりごとがあります。素材も大麻、稲、真菰と様々なものがあり、その土地で育つ植物を利用し暮らしの中で息づいています。元来、結界として聖域を仕切る縄のことを注連縄といいますが、願いを具体的に表すようになり、飾りとして多種のかたちが伝承されています。

『龍』
龍は水神の化身であり、水は作物を育てるために必要不可欠なものです。水に困らぬことを願い五穀豊穣を祈り、カギダレと呼ばれる新年を祝うかたちの紙垂を配しました。
大麻繊維・和紙 2023年 100cm × 18cm × 5cm

『龍』
氾濫する川を龍神として祀る伝承をイメージし、素材の荒々しさを活かしかたちにしました。自然の脅威を崇めることで共存し富に転じます。
藺草・和紙 2023年 108cm × 20cm × 15cm

『午』
午は杵の象形文字であり、交差や切替の意味をもちます。始まりと終わりが交差し繁栄が続くことを願いかたちにしました。
大麻繊維・和紙 2025年 75cm × 30cm

『八重結び』
結びは「産霊(ムスヒ)」が語源と言われており、結ぶことで神聖な力が生まれます。多くの幸と結ばれることを願いかたちにしました。
藺草・和紙 2025年 100cm × 18cm

『あわじ結び』
両端を引くと強く結ばれるため切れない縁を表します。結ばれた幸が続くことを願いかたちにしました。
藺草・和紙 2025年 90cm × 14cm
参考文献
・森須磨子『しめかざり』工作舎 2017年
・瀧本広子 大浦佳代『つくって楽しむ わら工芸2』農山漁村文化協会 2018年
・鈴木安一郎 安藤健浩『しめ飾り 造形とその技法』誠文堂新光社 2019年