これより先が清浄な空間であることを示すために、垂れ下がり揺れるものを配します。注連縄や紙垂がわかりやすい例であり、鳥居や神社の軒につけられている風景を思い浮かべることでしょう。
自然界にある垂れ下がり揺れるもののひとつとして枝垂れ桜があります。桜の樹の下で酒を飲む花見は田植えの前の予祝ですが、桜の下は神域であり、その外は現世となります。これから始まる労働のことをひととき忘れ、神と五穀豊穣を祝う場をつくります。
垂れ下がり揺れるものを結界とするのは、風の必要性を可視化するためではないでしょうか。湿度の高い日本の風土の中で、人も作物も健やかであるために欠かせないものを感じる装置なのかもしれません。
