
人はどのように生きる力を手にいれたのでしょうか。水を求め、火を扱うようになり、米を宝とするようになりました。米の語源には収穫まで八十八の手間がかかるという意味が込められていると言われています。決して楽ではない稲作を中心とした暮らしが日本文化となった背景には酒があります。酒は米からつくられますが、米をつくるために酒が必要だったのかもしれません。酒は人々を高揚させ、共に働く意力を継続させます。労力の対価であり、コミュニティーを形成するものでもあります。日本人が生きるために必要とした酒づくりの原点に触れ、人と酒の関係をしつらえました。
今回、主な表現素材として用いた縄は、人が生きるために必要とした最古の道具のひとつです。現代の生活の中で特別なものとして意識をすることはないかと思いますが、縄がなければ定住生活を維持することはできなかったことでしょう。自然の恩恵を受け、今生きていることへの感謝のかたちを表しました。
土 熊谷 幸治
ガラス 瀬沼 健太郎
文化を味わうものづくり『にほんのさけ』展
@ 無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery1・2
2024年7月5日(金) ー 9月1日(日)
https://atelier.muji.com/jp/exhibition/6677/
柱 - 神を数える単位は柱です。柱は「木」と「主」で成り立っており「主」は燭台で火が燃えている様子を表しています。祭祀の際には火を灯すのですが、神社や神棚以外の場所で祭祀を行う際、樹を注連縄で囲い依り代としたことも樹を神とする由 […]
宝 - はじめて収穫できた米を想像してみました。満たされる量ではないが、1粒1粒を大切に扱うほど貴重なものであったに違いありません。主食として食べることより酒にすることを優先したのではないでしょうか。酒をつくることは、その場限り […]
門 - 門のように左右に対で依代を飾るのは、その先の道を清めるためです。一般的には門松を思い浮かべることでしょう。その際使用する植物は松でなくてはならない決まりはないと考えます。松以外には槇を使用することが多いのですが、松や槇が […]
可視化 - 日本古来の信仰では偶像崇拝をしないことを基本としています。神は見えないのではなく、畏れ多く見てはいけないものとして扱われてきました。ものを媒介に祈りの対象を表しますが、ものに意味があるのではなく、結界を配し清浄な何もない […]
酒 - 酒は米からつくられますが、米をつくるために酒が必要だったと考察します。米の語源には収穫までに八十八の手間がかかるという意味が込められていると言われており、決して楽ではない稲作を中心とした暮らしが日本文化となった背景には酒 […]
封 - 紙で封印をするのは中に不浄なものを入れないためです。内容物を外に出さないためではないところに、この文化の面白さを感じます。器の上に紙の折り目でバツを表します。バツが封印の意味をもつことは勿論のこと、紙の輪郭が菱形になるこ […]
捧げる - 捧げるとは尊ぶものに対して真心を差し出す行為です。両手に持って目の高さより上にあげる動作となります。感謝や祈りを表す際、人は跪く格好になります。日本文化において祈りの場に敷かれるものは植物繊維でつくられます。この敷物は原 […]